コーヒーのミルクの違いと使い分け。コーヒーフレッシュと牛乳はどう使う?
【2019-04-01】
コーヒーフレッシュと牛乳の違い、分かりますか?
コーヒーをブラックで飲めない人は、甘くして飲みやすくするために砂糖を入れたり、苦味をまろやかにするためにコーヒーフレッシュを入れると思いますが、コーヒーフレッシュと牛乳の違いについて、ご存知でしょうか。
コーヒーに入れているのは牛乳?それともコーヒーフレッシュ?
コーヒーに”ミルク”を入れる理由は、主に2つあると思います。1つは、コーヒーにミルクを加えてカフェオレやカフェラテとして楽しむ場合、もう1つは、苦いコーヒーを飲みやすくするためにミルクを入れる場合です。しかし、前者と後者では、同じミルクと表現しても入れるものは異なります。コーヒーでカフェオレを作るために使用するのは牛乳ですが、コーヒーをまろやかにして飲みやすくするために使用するのはコーヒーフレッシュです。
コーヒーフレッシュ、と聞いてピンとこない人は、喫茶店を思い浮かべて下さい。コーヒーを注文したときに、砂糖と一緒に添えられて出てくる、小さいカップに入ったミルクがコーヒーフレッシュです。ポーションクリームと呼ぶ場合もあります。コーヒーフレッシュには粉末と液状のものがあり、日本以外では”コーヒークリーマー”と呼ばれます。
おそらく自宅でコーヒーを飲むとき、カフェオレとして飲むのではなく、あくまでコーヒーとして飲む場合にミルクを入れて飲む人のほとんどは、コーヒーフレッシュを入れているでしょう。
2つの”ミルク”の違いは?
牛乳とコーヒーフレッシュ、どちらも色が白く、コーヒーに加えることで飲みやすくなるという点では共通していて、あまり違いがないように見えるかもしれません。そもそも、あまり気にしていない人がほとんどでしょう。
しかし実際は、牛乳とコーヒーフレッシュ、2つの”ミルク”は大きく異なるものです。分かりやすい違いで言うと、牛乳は冷蔵庫に入れなくてはいけませんし、長期保存ができませんが、コーヒーフレッシュは常温で保存でき、長く保存できます。つまり、似ているようで、本質からまったく違うものなのです。
コーヒーフレッシュと牛乳の違い
コーヒーフレッシュと牛乳は、似て非なるものです。では一体、どこが違うのでしょうか。
コーヒーフレッシュは植物性油脂食品
コーヒーフレッシュは、殆どの製品で主原料が”植物性油脂”となっています。乳成分も一部含まれていますが、食品の分類上は”植物性油脂食品”であり、乳製品ではありません。つまり油です。だから牛乳とは違い、常温保存も可能となっています。油脂や入成分以外に、食塩や砂糖、食品添加物なども含まれています。
コーヒーフレッシュは1950年代ごろから市場に出回るようになり、手軽さや取り回しの良さから、現在まで長く利用されています。日本国内で有名なコーヒーフレッシュだと、めいらくの”スジャータ”や、AGFの”マリーム”が挙げられます。
また、日本で唯一、”クリープ”は植物性油脂ではなく牛乳由来の成分を原料として作られた、粉末状のコーヒーフレッシュです。そのため、コーヒーフレッシュを使いたいけど、植物性油脂と聞いてちょっと嫌だな・・・と思った人は、クリープを使うのが良いでしょう。
牛乳は牛乳
牛乳は、文字通りそのままの牛乳です。日本の法律では、成分を一切調整しておらず、加熱殺菌のみを行った生乳のみ牛乳と呼びます。ちなみに、生乳に脱脂粉乳などを加えており、無脂乳固形分8%以上のものを”加工乳”と呼びます。また、乳脂肪を調整したものは”低脂肪牛乳”や”無脂肪牛乳”と呼ばれます。
コーヒーフレッシュとは違い、牛乳は常温で保存できず、あまり日持ちもしません。そのため、コーヒーをまろやかにして飲むために牛乳を普段から常備している、という人は少ないかと思います。
成分が違えば使用方法も違う
一口に”ミルク”と言っても、コーヒーフレッシュは植物性油脂で、牛乳は牛の生乳です。ミルクとは通常牛乳を指す言葉なので、この2つを比較すると油であるコーヒーフレッシュがただのニセモノのように感じるかもしれません。
しかし、植物性油脂であるコーヒーフレッシュにも利点もあります。前述した日持ちや保存方法についてもそうですが、その他にも牛乳を使用するよりもコーヒーフレッシュのほうが都合の良いことがあるのです。
コーヒーフレッシュと牛乳の使い分け
コーヒーフレッシュと牛乳は、状況に応じて使い分ける事ができます。では、どういった使い分けができるのでしょうか。
味を変えたくないならコーヒーフレッシュ
コーヒーフレッシュは主原料が植物性油脂なので、牛乳を加えたときよりもコーヒーの味が変わりにくいというメリットがあります。ただし、コーヒーフレッシュには油の他に砂糖や乳成分、食塩なども含まれているので、全く味が変わらない、ということはありません。
なるべくコーヒー本来の味や風味を残しつつ、飲みやすくしたい場合には、コーヒーフレッシュを使用するのが良いでしょう。コーヒーを飲みたいけれど、ストレートでは飲めない、でもカフェオレにはしたくない・・・という人向きです。
味を変えても良いなら牛乳を
一方、コーヒー自体の風味や味わいを変えてしまっても構わない場合や、カフェオレにして飲みたい場合は牛乳を使用しましょう。牛乳を加えることでコーヒーの苦味が和らぎ、飲み口もまろやかになります。ただ、牛乳は常温で保存がきかないため、コーヒーを冷まさずに牛乳を加えたい場合には、ホットミルクにしてからコーヒーに加えるなど、ひと手間必要になります。
牛乳を加えるとコーヒーの味が大きく変わりますが、コーヒーフレッシュとは違い加工製品ではないので、安心して使用することができます。添加物や植物性油脂を摂取するのに抵抗がある人は、牛乳を加えるべきでしょう。
コーヒーフレッシュは危険?
コーヒーフレッシュについて調べると、コーヒーフレッシュは危険!といった記事コンテンツがたくさん出てきます。実際、植物性油脂に添加物が加えられたものなので、決して体に良いものではないのは事実でしょう。しかし、摂取してまずいものであればそもそも一般的に販売・提供はされませんし、一度にわざと大量摂取するようなことをしない限りは、コーヒーフレッシュを摂取することで人体に重大な影響を与えるとは考えにくいでしょう。
それでもコーヒーフレッシュは体に悪いから・・・といった憂い解消したければ、コーヒーには何も加えずにストレートで飲めるようになることをオススメします。インスタントのコーヒーの場合、苦いだけの低品質なコーヒーばかりですが、スペシャルティコーヒーと呼ばれる高品質なコーヒー豆で丁寧にドリップしたコーヒーは、何も加えなくても美味しく飲むことができます。むしろ、加えないほうが美味しいと言って良いでしょう。
コーヒー自体は体に良いものです。楽しく、憂慮無くコーヒーを飲みたいなら、コーヒーフレッシュを加える必要のない、高品質なコーヒーを飲むようにしましょう。コーヒーのドリップについては、道具の揃え方からドリップ方法まで解説しているので、インスタント以外のコーヒーを飲んだことがない人で、コーヒーのドリップに興味がある人はぜひ読んでみて下さい。
カフェオレやカフェラテはもちろん牛乳
カフェオレやカフェラテ、カプチーノといったコーヒーにミルクを加えたドリンクでは、もちろんコーヒーフレッシュではなく牛乳が使用されます。ちなみに、カフェオレはコーヒーに牛乳を加えたもので、カフェラテはエスプレッソに温めた牛乳を加えたもの、カプチーノはエスプレッソに温めた牛乳と蒸気で泡立てた牛乳を加えたもので、それぞれ微妙に違う飲み物です。
上手に使い分けてコーヒーを美味しく飲もう
コーヒーフレッシュも牛乳も、それぞれ役割が違います。シーンに合わせて上手に使い分けましょう。
美味しく飲めることが大事
コーヒーを飲むうえでいちばん大切なのは、自分が一番美味しいと感じるスタイルで飲むことです。自分が美味しいと思うのであれば、コーヒーフレッシュや牛乳はもちろん、砂糖やガムシロップを加えても良いでしょう。
そのためにはまず、コーヒーフレッシュと牛乳の違いのように、コーヒーに加えるモノの成分など特徴を知ることが大事です。コーヒーに何かを加えて飲む人は、これを機会に一度、自分が加えるものの特徴を調べてみることをオススメします。
いつかはストレートで
しかしやはり、本当に美味しいコーヒーは何も加えずにストレートで、ブラックで飲むのがベストだと思います。品種や産地にもよりますが、良いコーヒーは砂糖を加えずともそれだけで甘く、香りも高く、口当たりも良いものです。気になる方は一度、スペシャルティコーヒーの専門店を見つけて、品質の良いコーヒーを試してみてください。
また、コーヒーはドリップの仕方で味わいも変わります。例えば、金属のメッシュフィルターのドリッパーを使用することでコーヒーオイルを含んだコーヒーを抽出することができ、何も加えなくてもまろやかな口当たりのコーヒーになります。詳細については、金属フィルターの紹介記事やコーヒーオイルについての記事も参照してみて下さい。