コーヒードリッパー

いつでもできる、コーヒー豆の自家焙煎。道具を揃えて挑戦しよう

コーヒー豆を自家焙煎しよう

麻袋に入ったコーヒー豆

コーヒー豆の自家焙煎はとてもシンプル

コーヒー豆の焙煎と聞くと、難しそうなイメージを持つ人も多いかもしれません。確かに、プロとして販売できるようなレベルの焙煎を行うことは費用や技術面において難しい部分が多いですが、個人で楽しむ分にはそこまでハードルは高くありません。

自家焙煎に必要な道具

コーヒー豆の自家焙煎に必要なものは以下のものだけです。

  • コーヒー生豆
  • 焙煎機(ロースター)
  • ザルやボウルなどの容器
  • うちわやサーキュレーターなど送風できる道具
  • 密閉容器
  • 焙煎後の掃除道具

これだけでコーヒー豆の焙煎ができてしまいます。一番気になるのが焙煎機だと思いますが、大きな業務用の焙煎機や小型で自動回転するタイプの焙煎機は不要で、自家焙煎の場合は手網などの焙煎機を利用するのが一般的です。

新越ワークス 18-8ステンレス 煎り網 16cm

マルカ 日本製 銀杏煎 豆煎器 001057

発明工房 コーヒー豆焙煎器・煎り上手

手あみロースター 22cm

焙煎用の手網にコーヒー生豆を入れ、コンロの火で炙ってコーヒー豆を焙煎します。焙煎中は常に手を動かさなければならないのでかなり疲れますが、その分非常に安価に自家焙煎を行うことができます。

そのほか、ザルやボウルは焙煎し終えたコーヒー豆を取り出すために使用します。うちわやサーキュレーターは、焙煎したての熱いコーヒー豆を冷却するために必要です。特にサーキュレーターがあると冷却作業が効率よく行えるのでおすすめです。送風できれば良いので、サーキュレーターではなく扇風機などでも代用可能です。

アイリスオーヤマ サーキュレーター 静音 左右首振り 8畳 パワフル送風 ホワイト PCF-HD15-W

山善 18cmエアーサーキュレーター (風量2段階) ホワイト YAS-M183(W)

密閉容器は焙煎したコーヒー豆の保存に必要です。また、コーヒー豆の焙煎中はコーヒー豆の表面にある薄皮がたくさん舞い散ります。焙煎後には飛び散った薄皮がキッチンに大量に残るので、小さいハケなどがあると焙煎後のコンロの掃除が楽になります。

どの道具も安価に揃えることが出来るので、予算面においてコーヒー豆の自家焙煎のハードルは高くないと言えるでしょう。

コーヒー豆は通販でも購入できる

肝心のコーヒー生豆ですが、以下のような通販サイトで購入することが出来るので、近所にコーヒー豆の専門店がなくても問題ありません。

通販でも実店舗でも、欠点豆を丁寧に取り除いた生豆を販売しているお店で購入するのがベストです。近所にコーヒー豆専門店があれば、実際に目で見て、お店の人に相談して選ぶのも良いでしょう。

コーヒー豆の焙煎方法

コーヒー豆が入ったテストスプーン

生豆を手網に投入する

焙煎道具を揃えたら、コーヒー豆を焙煎してみましょう。まず最初に、手網にコーヒー生豆を投入します。このとき、手網いっぱいにコーヒー豆を入れてしまうと手網を揺さぶったときに網の中でコーヒー豆が動くスペースがなくなってしまうので、余裕をもってコーヒー豆を入れるようにします。

1度に投入できるコーヒー豆の量は手網の容量によって異なりますが、多くても手網の容量の1/2ほど、更に余裕をもたせて1/3くらいだと快適に焙煎が行うことができます。

手網を火にかける

コーヒー豆を手網に投入したら、コンロの火をつけて中火くらいに調整します。火から15cm〜20cmほど上の位置に手網がくるようにして、手を動かし続けながらコーヒー豆を焙煎します。このとき、コーヒー豆が均等に火に当たるよう、手網の中のコーヒー豆が常に動き回り続けるように意識して手を動かします。

単純に左右に振っているだけでは底面のコーヒー豆ばかり焙煎が進んでしまいます。焙煎中は上下左右、立体的にコーヒー豆が動くように手を動かし続けましょう。

〜1ハゼまで

焙煎が進むと、コーヒー豆から徐々に薄皮が剥がれ落ちてきて、豆の色が緑色から茶色に色づいていきます。コーヒー豆の種類や火の加減にもよりますが、おおよそ10分〜15分程で1回目の”ハゼ”が始まります。ハゼとは、焙煎されることで豆の内部に発生する二酸化炭素などに豆自体が耐えられなくなり、コーヒー豆が割れることを指します。コーヒー豆がパチパチという音を立てて”爆ぜる”ということです。爆ぜることで、コーヒー豆の体積も増えていきます。

1回目のハゼが始まると、熱によってカラメル化した糖の甘い香りが強く漂ってくるようになります。この焙煎香も自家焙煎の醍醐味の一つと言えるでしょう。美味しそうな香りが漂ってくるため、火から下ろしてしまっても良いと思うかもしれませんが、飲用とするにはまだ焙煎度が浅いため、基本的にはもう少し焙煎が必要になります。もちろん好みにもよるので、浅煎りが好みであればここで火から下ろしてしまっても問題ありません。

〜2ハゼまで

更に数分ほど焙煎を進めると、またコーヒー豆からパチパチと、1回目よりも控えめの音がし始めます。この2回目のハゼを”2ハゼ”と呼びます。2ハゼが始まる頃にはコーヒー豆も程よく色づいており、中煎り〜深煎りほどの焙煎度になっているはずです。2ハゼ以降はハゼが起こらなくなるため、あとは目視でコーヒー豆の様子を見ながら、好みの焙煎具合になるまで焙煎を続けます。2ハゼ以降、焙煎を進めるほどコーヒーの表面に油が浮いてきて、色も茶色から黒に近づいていきます。

好みの焙煎度になったら、火を止めてボウルやザルにコーヒー豆を移し、焙煎終了です。

コーヒー豆を冷まして保存する

焙煎を終えたコーヒー豆は非常に高温になっているため、そのまま放置すると予熱で焙煎がさらに進んでしまいます。焙煎の進行を防ぐため、すぐにうちわやサーキュレーター、扇風機などを用いて冷却を行いましょう。

手で触っても熱さを感じない程度まで全体をまんべんなく冷ますことができたら、密閉容器に入れて作業終了です。ちなみに、短期間で飲み切る場合は直射日光を避けての常温保存で構いませんが、2週間以上保存する場合は、冷凍庫に入れておくと1ヶ月程度は美味しい状態で保存することができます。

コーヒー豆を焙煎した後は・・・

カップに入ったコーヒー豆

すぐに挽いてコーヒーをドリップする

好きなコーヒー豆で、かつ焙煎直後のコーヒー豆をすぐに挽いてコーヒーをドリップして楽しめるのが、コーヒー豆の専門店でもなかなか体験できない自家焙煎の良いところです。コーヒー粉にお湯を注ぐと勢いよく膨らみ、口に含むと焙煎されたコーヒー豆の香りが広がります。

焙煎したてのコーヒー豆の刺激的な味わいが好きな人には、自家焙煎はまさにうってつけと言えるでしょう。また、焙煎直後のコーヒー豆でドリップしたコーヒーを飲んだことがない人も、自家焙煎をするならぜひ一度試してみることをオススメします。

寝かせて味を落ち着かせてから楽しむ

焙煎直後のコーヒー豆は味が荒々しくて好きではない、という方は、そのまま密閉容器に保存して2日ほどおいてから楽しむのも良いでしょう。日をおくことで焙煎香がなくなり、コーヒー豆の個性だけを感じやすくなります。

良くも悪くも、焙煎直後のコーヒー豆は焙煎香が強いため、コーヒー豆のもつ個性がマスクされがちです。焙煎独自の特性を楽しみたい人は焙煎したてを、コーヒーの持つ個性を楽しみたい人は落ち着かせてからコーヒーをドリップするのが良いでしょう。

キッチンの掃除も忘れずに

手網で焙煎を行うと、コーヒー豆の薄皮が大量に飛び散ってしまいます。焙煎後はキッチンのコンロの上に大量の薄皮が散らばっているので、小さなハケなどを使用して清掃を行っておきましょう。掃除しないでおくと、料理の途中で舞い上がって散らばって、料理の上に被ってしまうかもしれません。

掃除と言っても薄皮を集めて捨てるだけなので、難しいことではありません。確実に実施しましょう。

自家焙煎で更にコーヒーを楽しむ

コーヒー豆の自家焙煎には、自家焙煎でしかできないコーヒーの楽しみ方があります。ただ単純にコーヒーを飲むことに飽きた人や、よりコーヒーの楽しみ方のバリエーションを増やしたいと思っている人がいたら、ぜひ自家焙煎をおすすめします。きっと新鮮な気持ちで、違った視点でコーヒーを楽しむことが出来るようになるでしょう。