コーヒーのカフェイン量。スタバ・缶コーヒーは一日何杯まで飲んで良い?
【2018-09-15】
コーヒーとカフェイン
ご存知の通り、コーヒーにはカフェインという成分が含まれています。カフェインは摂取することで眠気を感じにくくなったり、利尿作用があること、過剰摂取してはいけないことは有名だと思いますが、具体的にどういった成分なのでしょうか。
カフェインとは
カフェインはアルカロイドと呼ばれる有機化合物の一種で、ドイツのフリードリープ・フェルディナント・ルンゲという化学者によって、コーヒーから単離されました。なんとなくわかっている方も多いと思いますが、コーヒー(cafe)に含まれていた成分であるため、カフェインと名付けられています。
カフェインはコーヒー以外にもコーラやチョコレート、緑茶にも含まれていて、鎮痛剤などの医薬品にも含まれています。カフェインは興奮作用を持ち、世界で最も広く使われている精神刺激薬(興奮剤)とされています。
カフェインの作用
カフェインを摂取することで、以下のような症状が身体に現れます。
- 覚醒作用:中枢神経を覚醒させることで、眠気や疲労を感じにくくする
- 強心作用:心筋の収縮力を高める
- 利尿作用:腎臓の血管が拡張することで、尿の生成量が増える
これらの症状は、カフェインの摂取によるメリットと言えます。利尿作用は一見デメリットに見えますが、体内の水分がより循環するようになるので、むくみが解消されたり、身体の老廃物が排泄されやすくなる、血圧を下げるといった効果があります。
逆に、カフェインを摂取した場合の副作用として、
- 不眠
- めまい
- 頭痛
といった症状が現れる場合もあります。また、日常的にカフェインを摂取していると耐性ができ、カフェインを摂取しても以前より目が覚めにくくなる、といったように、カフェイン摂取の効果が感じられにくくなる場合があります。
1日のカフェイン摂取量の目安
カフェインは、非常に稀ですが、過剰摂取することで死亡する場合がある成分です。そのため、国や機関ごとに一日のカフェイン摂取上限基準を設けており、例えば欧州食品安全機関(EFSA)では一般成人の場合、一日のカフェイン上限摂取量が400mg未満、かつ一回あたりの摂取量は200mg未満を上限としています。
また、妊娠している女性がカフェインの摂取を控えるべきということは広く知られていますが、具体的な目安としては、欧州食品安全機関(EFSA)では一般成人の半分である200mg未満としています。ちなみに、妊娠しているときにカフェインの摂取を控える理由ですが、妊娠中はカフェインの分解・排泄までに時間がかかり、カフェインが体内に長く留まることになります。すると、胎盤を通して胎児の血液中にも多くのカフェインが移行してしまい、胎児はカフェインを排泄できずに体内カフェインが留まることで、胎児の発育に影響を与えるためです。
コーヒーに含まれるカフェイン量は?
このように、カフェインには一日に摂取しても問題がないとされる量の目安があるため、ドリップコーヒー、缶コーヒー問わず日常的にコーヒーを飲んでいる人は、その中にどれくらいカフェインが含まれているのか、気になると思います。
そこで、実際にコーヒーに含まれるカフェイン量は一体どれくらいなのか、大手コーヒーチェーン、缶コーヒーメーカー等が公表しているコーヒーに含まれるカフェイン量の数字を見て、毎日どれくらいの量のカフェインを摂取しているのか確認してみましょう。
スターバックスのコーヒーに含まれるカフェイン量
誰でも知っている大手コーヒーチェーン”スターバックス”。ブラックコーヒーが特別好きでなくても、甘いラテなどのドリンクが好きで利用する人も多いかと思います。しかし、いくら甘くてもコーヒーですので、カフェインが含まれています。一体、どの程度のカフェインが含まれているのでしょうか。
スタバのドリップコーヒーのカフェイン量
まずはオーソドックスなドリップコーヒーのカフェイン量を見てみましょう。スターバックスで提供するドリップコーヒーは日替わりで使用するコーヒー豆が変わるため、一概には言いにくいのですが、パイクプレイスローストやブロンドローストの場合では、サイズごとに概ね以下のようなカフェイン含有量となっています。
- ショート(240ml):約180mg
- トール(350ml):約260mg
- グランデ(470ml):約330mg
- ベンティ(590ml):約415mg
欧州食品安全機関(EFSA)のカフェイン摂取量の基準からすると、スターバックスのドリップコーヒーを一度に飲んで良い量はショートサイズまでで、ワンサイズアップしてトールサイズを飲むと一回あたりの摂取目安上限を超えてしまいます。また、グランデを飲むとそれだけで一日の摂取目安上限400mgを超えてしまいます。
実際のところ、スターバックスでコーヒーを頼む場合、実質的にトールが標準サイズなので、トールサイズのドリップコーヒーを頼む人は多くいるかと思います。そうすると、ほとんどの人が一回あたりのカフェイン摂取上限である200mgを超えてしまいますが、本当に一度に200mg以上摂取するのが不味いのであれば、カフェイン摂取による体調以上などの報告例が多く発生するはずですので、その点に関してはあまり気にする必要はないかと思います。ただ、トール以上のグランデやベンティサイズをドリップコーヒーを日常的に飲んでいると、少々カフェイン摂取過多になると思うので、トール以上のドリップコーヒーを頼んでいる方でカフェインの摂取量が気になる方は、ワンサイズ下げてコーヒーを注文すると良いでしょう。
スタバのディカフェ(カフェイン除去)コーヒーのカフェイン量
スターバックスでは、ディカフェと呼ばれるカフェインを除去したドリップコーヒーも販売されています。ディカフェはすべてのカフェインを除去出来るわけではありませんが、コーヒーに含まれるほとんどのカフェインが取り除かれています。では、一体どの程度カフェインが取り除かれているのでしょうか。ディカフェのパイクプレイスローストの各サイズのカフェイン含有量は、以下のようになっています。
- ショート(240ml):約15mg
- トール(350ml):約20mg
- グランデ(470ml):約25mg
- ベンティ(590ml):約30mg
ディカフェでは上記のように、通常のコーヒーと比較して9割以上カフェインが減少しています。そのため、ディカフェであれば妊娠中の方でも比較的安心してコーヒーを飲むことが出来るでしょう。しかし、場合によってはコーヒー以外の食品や薬からもカフェインを摂取する可能性があることも考慮しつつ、ディカフェコーヒーを楽しみましょう。
スタバのエスプレッソ、ラテ、マキアートのカフェイン量
ラテ、マキアートではコーヒーではなくエスプレッソが使用されています。ショートとトールはエスプレッソ1杯分、グランデは2杯分、ベンティは3杯分のエスプレッソが使用されています。そのため、
- エスプレッソ
- スターバックスラテ
- カフェモカ
- カプチーノ
- キャラメルマキアート
といったドリンクのカフェイン量は全て、
- ショート&トール(エスプレッソ1杯):約75mg
- グランデ(エスプレッソ2杯):約150mg
- ベンティ(エスプレッソ3杯):約225mg
おおよそ上記のようになります。それぞれのドリンクの味は違いますが、カフェインを含む量は苦くても甘くても変わりありません。甘いドリンクだからといって油断せず、過剰摂取しないように注意したいですね。
スタバのコーヒーは一日何杯まで?
ここまでで紹介したスターバックスの各ドリンクのカフェイン含有量を考慮し、一日あたりどの程度スターバックスのコーヒーを飲んでも問題ないかというと、妊娠していない成人で1日のカフェイン上限摂取量を400mgとした場合、
- ドリップコーヒーの場合:ショートとトールをそれぞれ1杯ずつ
- ディカフェの場合:ショート26杯、もしくはベンティ13杯など
- エスプレッソの場合:5杯
- ラテ・マキアートの場合:グランデとベンティを1杯ずつ、もしくはショートかトールを2杯&グランデを1杯など
という具合になります。ドリップコーヒーのカフェイン量は意外と多く、400mg上限とするとあまり多くの量を飲むことは出来ません。逆にディカフェであればショートで26杯飲むことが出来ますが、そこまで飲む人はいないでしょう。
ラテやマキアートはドリップコーヒーよりもカフェイン量が少ないためたくさん飲むことが出来ますが、これらはミルクや甘いクリームがのせられるため、カロリーも高くなります。カフェインを摂取しすぎないようにすることも大切ですが、カロリーにも注意を払って利用したいところです。
市販の缶・ボトルコーヒーに含まれるカフェイン量
飲料メーカー各社が販売する缶コーヒーやボトルコーヒーは、コンビニやスーパーだけではなく、自販機でも購入することができるため、コーヒーを飲みたいときにいつでも手軽に飲むことが出来ます。しかし、手軽に飲むことが出来るからこそ、意外とカフェインの摂取量が多くなっている可能性もあります。普段から愛飲しているコーヒーには、一体どの程度のカフェインが含まれているのか、気になる人はここでチェックしてみましょう。
なお、こちらで紹介するカフェインの含有量は、各社の製品情報ページでも参照することが出来ます。
アサヒのコーヒーのカフェイン量
アサヒ飲料の販売する缶コーヒーといえば、”ワンダ”です。朝専用を謳った”モーニングショット”などは、仕事始まりの前に飲む人もいるのではないでしょうか。アサヒの主力缶コーヒーをピックアップして、そのカフェイン量を見てみましょう。
- ワンダ 金の微糖:100gあたり約70mg
- ワンダ 極 完熟深煎りブラック:100gあたり約60mg
- ワンダ モーニングショット:100gあたり約60mg
- ドトール カフェ・オ・レ:100gあたり約50mg
ワンダシリーズのカフェイン含有量は、製品100gあたり60mg〜70mg程度です。意外なのが、ブラックよりも砂糖の入った”金の微糖”のほうがカフェイン含有量が多いことです。砂糖が入っているコーヒーよりも、無糖のブラックコーヒーのほうがカフェイン量が少ないように思いがちですが、そうではないようです。甘いコーヒーはカフェインが少ない、と思っていた人は注意したほうが良いかもしれません。
ワンダ以外には、ドトールのカフェオレなども販売しています。こちらも甘いカフェオレですが、500mlのペットボトルを1本飲めばカフェインの摂取量はおよそ250mgと多く、2本飲めばカフェイン摂取過多となります。ゴクゴク飲めてしまう分、飲み過ぎには注意したいですね。
サントリーのコーヒーのカフェイン量
サントリーが販売するのは、缶コーヒーのボス、のフレーズでお馴染み”ボス”シリーズです。最近ではペットボトルに入りの”クラフトボス”が大ヒットし、生産が追いつかずに一時出荷停止になるなど、多くのファンを持つブランドです。そんなボスシリーズのカフェイン量は、以下のようになっています。
- ボス 無糖ブラック:100gあたり約50mg
- ボス カフェオレ:100gあたり約40mg
- プレミアムボス ブラック:100gあたり約50mg
- クラフトボス ブラック:100gあたり約40mg
アサヒのワンダシリーズよりもカフェイン量は少なめで、どの製品もおよそ100gあたり40mg〜50mgほどです。普通に缶コーヒーを1本飲む分にはカフェイン量を気にする必要はありませんが、プレミアムボス、クラフトボスなどのボトル入り飲料は1本飲み干すとおよそ200mgのカフェインを摂取することになるので、美味しくても飲み過ぎには注意したほうが良いでしょう。
ダイドーのコーヒーのカフェイン量
“ダイドーブレンドコーヒー”でお馴染みのダイドーも根強いファンを持つ飲料メーカーです。世界最高峰のバリスタを決める”ワールドバリスタチャンピオンシップ”のチャンピオンが監修するコーヒーなど、歴史あるブレンドコーヒーだけでなく、幅広いジャンルのコーヒーを取り揃えています。
- ダイドーブレンド ブレンドコーヒー:100gあたり約86mg
- ダイドーブレンド デミタスコーヒー:100gあたり約71mg
- ダイドーブレンド コクと香りのブレンドBLACK:100gあたり約60mg
ダイドーのブレンドコーヒーは、カフェイン量が100gあたり86gとアサヒやサントリーの缶コーヒーよりも多めで、自販機などで売っている185ml缶サイズ1本で150mgほどのカフェインを摂取することになります。1本だけであれば問題無い量ですが、缶コーヒーの量が少ないからといって2本、3本と飲んでしまうとカフェインの摂取過多になってしまうので注意しましょう。
ちなみに、ダイドーのブレンドコーヒーはスターバックスのドリップコーヒーと同程度のカフェイン量です。ドリップコーヒーと同じカフェイン量ということは、ある意味でドリップコーヒーに近い缶コーヒー、という捉え方が出来るかもしれません。
キリンのコーヒーのカフェイン量
キリンのコーヒーといえば、炎のロゴマークの”ファイア”シリーズです。ファイアシリーズのコーヒーは苦いブラックコーヒーを彷彿させるキリッとしたイメージですが、ブラックコーヒーだけではなく、カフェオレなどの製品も販売されています。
- キリン ファイア 挽きたて微糖:100gあたり約60mg
- キリン ファイア 香ばしブラック:100gあたり約51mg
- キリン ファイア エクストリームブレンド:100gあたり約58mg
- キリン ファイア 贅沢カフェオレ:100gあたり約41mg
キリンのコーヒーは100gあたり40mg〜60mgのカフェインを含んでいます。ファイアの缶コーヒーの主力製品である”挽きたて微糖”は100gあたり60mgで、185ml缶1本あたりのカフェイン量はおよそ110mgほど。挽きたて微糖を一日4本飲むとカフェイン上限摂取量となりますが、朝、昼、夕と1本ずつ飲むであれば問題ないでしょう。
その他市販のコーヒーのカフェイン量
アサヒ、サントリー、ダイドー、キリン以外にも缶・ボトルコーヒーを販売するメーカーはいくつかあります。お茶のメーカーである伊藤園はタリーズのボトル缶コーヒーを販売しており、コーヒー飲料メーカーのAGFはインスタントコーヒーだけではなく、ペットボトル飲料も販売しています。
- TULLY’S COFFEE BARISTA’S BLACK:100gあたり約60mg
- タリーズコーヒー Smooth black MEDIUM:100gあたり約60mg
- ブレンディ®ボトルコーヒー 挽きたてカフェオレ:100gあたり約37〜71mg
市販の缶・ボトルコーヒーは1日何本まで飲んで良い?
大手缶コーヒーメーカーの販売する缶コーヒーのカフェイン含有量を見る限りでは、自販機で売っている185mlサイズの缶コーヒーではおよそ3〜4本、500mlのボトルコーヒーでは1本が、カフェイン摂取量上では飲んでも問題の無い量のようです。
ただし、上記の量は欧州食品安全機関(EFSA)の基準である、妊娠していない成人が1日に摂取して問題の無いカフェインの量である400mgを超えない量、という意味であり、毎日の摂取推奨量ということでは決してありません。日常的にコーヒーを飲む人は、その点を留意しておく必要があるでしょう。
自宅でコーヒーを淹れる場合のカフェイン量
市販の缶・ボトルコーヒーの場合、メーカー各社がコーヒーのカフェイン含有量を公表している(公表していないメーカーもあります)ため、摂取したカフェイン量をある程度把握することが出来ます。では、自宅でコーヒー豆やインスタントコーヒーを使用してコーヒーを淹れる場合には、一体どれ程のカフェインを摂取しているか、どのように把握すればよいのでしょうか。
コーヒー豆からコーヒーを淹れた場合のカフェイン量
コーヒー豆を挽いてコーヒーを淹れる場合、コーヒー豆の粗さ、種類、焙煎度、お湯の温度、淹れ方など全てが人によって異なるため、市販のコーヒーとは違い、誰もがまったく同じコーヒーを淹れることはありません。そのため、実際に自宅でコーヒー豆を挽いてコーヒーを淹れる場合のカフェインの量を測定するのは困難です。
そこで、いくつかのデータを用いて、コーヒー豆を挽いてコーヒーを淹れる場合のカフェイン量を大まかに予測してみましょう。まず、文部科学省が公表する食品に関するデータである”日本食品標準成分表”を参考にしてみます。日本食品標準成分表によると、レギュラーコーヒー(コーヒー豆をドリップして淹れたコーヒー)の場合、10gのコーヒー豆に熱湯を注いで150mlのコーヒーを抽出した場合、コーヒー100gあたりおよそ60mg程度のカフェインが含まれるとされています。
次に、レギュラーコーヒーを販売しているメーカーが公表しているカフェイン量を見てみます。レギュラーコーヒーを販売するメーカーはいくつかありますが、カフェイン量を公表しているのはAGFのみでした。AGFの販売する”ちょっと贅沢な珈琲店® スペシャル・ブレンド”の場合、コーヒー豆10gを使用して140mlのコーヒーを抽出した場合、コーヒーに含まれるカフェイン量は約30〜100mgとのことです。振れ幅が大きいですが、日本食品標準成分表のデータの60mgをおおよそ中心に取っているので、ほとんど同じと言って良いでしょう。
スターバックスのコーヒーに含まれるカフェイン量についても振り返りましょう。スターバックスのドリップコーヒーは、ショートサイズ(240ml)で約180mgのカフェインが含まれているとのことでした。100mlあたりではおよそ75mgです。使用しているコーヒー豆の量が不明ですが、スターバックスが公表するおいしいコーヒーをいれるコツでは、”水180mlに対してコーヒー豆を10g”と紹介しているので、10gのコーヒー豆を使用しているとします。そうすると、日本食品標準成分表のデータにある100mlあたり約60mgよりもカフェイン量が少し多くなります。
上記を踏まえると、10gのコーヒー豆を使用してコーヒーを淹れる場合、市販のレギュラーコーヒーを使用する場合だと、日本食品標準成分表のデータの通りコーヒー100gあたり約60mgのカフェインが含まれると考えて良いでしょう。ですが、市販のものではなく、コーヒー豆の専門店などで購入したコーヒー豆を挽いて使用する場合は、状態としては市販のレギュラーコーヒーよりもスターバックスのコーヒーに近いと考えられるため、100gあたり60mgよりも少し多い、75mg程度のカフェインを含んでいると考えて良いかもしれません。
まとめると、自宅でコーヒー豆を挽いてコーヒーを淹れる場合は、コーヒー100gあたり約60〜75mg程度のカフェインを含んでいると考えられるでしょう。
インスタントコーヒーのカフェイン量
自宅でコーヒーを飲む場合、レギュラーコーヒーではなく、お湯に溶かして飲むインスタントコーヒーを利用する人もいるでしょう。インスタントコーヒーのカフェイン量については、レギュラーコーヒー同様、ほとんどのメーカーはカフェイン量を公表していませんでしたが、AGFのみ以下のように公表していました。
- AGF「ブレンディ」:2gあたり約50〜110mg
- AGF「マキシム」:2gあたり約40〜100mg
AGFでは、お湯140mlに対してインスタントコーヒー2gとしているようなので、上記の値はインスタントコーヒー140mlあたりのカフェイン量と言って良いでしょう。ただし見て分かるように、公表しているカフェイン量の振れ幅が大きいため、一概にこのくらい、と言うことは難しいでしょう。
お湯の温度によるカフェイン量の違いは?
AGFの公表するレギュラーコーヒーのカフェイン量は、コーヒー豆10gを使用して140mlのコーヒーを抽出した場合、約30〜100mgと振れ幅が大きいですが、その要因としては恐らくお湯の温度が関係しています。というのも、同量のコーヒーでもお湯の温度が高いほどカフェインの抽出量が多くなるためです。
そのため、コーヒーを淹れる際のお湯の温度を低めにしたり、水でコーヒーを抽出するなどすることで、摂取するカフェインの量を少なくすることが可能です。しかし、コーヒーを淹れるお湯には適切な温度があります。お湯の温度が低くしすぎると、そもそも美味しいコーヒーを淹れることが難しいので、ホットコーヒーの場合、お湯の温度でカフェイン量を調整することはせず、飲むコーヒーの量などで調整するようにしましょう。
焙煎度によるカフェイン量の違いは?
コーヒー豆は火によって焙煎され、初めてコーヒーとして飲むことが出来ますが、焙煎具合はコーヒー豆によって異なります。つまり、それによってカフェイン量も変わるということです。
どう変わるかとというと、カフェインはコーヒー豆の焙煎時に減少するため、コーヒー豆は浅煎りほどカフェイン量が多く、深煎りされたものほどカフェイン量が少なくなります。深煎りのコーヒー豆のほうが苦味が強く、色も黒に近くなるためカフェイン量も多くなるように思いますが、実際にはライトな味わいの浅煎りのコーヒー豆のほうがカフェイン量が多いのです。
すると気になるのが、浅煎りのコーヒー豆を挽いてコーヒーを淹れる場合、深煎りのコーヒー豆よりもカフェイン量が多いため、使用するコーヒー豆の量は少なくしたほうが良いのではないか、という点です。これについては、使用するコーヒー豆の量を量るとき、体積ベースで量るのか、重量ベースで量るのかによって異なります。
体積ベースの場合とは、例えばスプーンすりきり1杯、といった形で量る場合です。スプーンすりきり1杯で量る場合、浅煎りでも深煎りでも、スプーンに収まるコーヒー豆の粒の量はほとんど変わらないか、焙煎されてコーヒー豆が膨らむことを考慮すると、浅煎りのほうがコーヒー豆の量は多くなります。この場合、たとえコーヒー豆の量が同じでも、浅煎りのコーヒー豆のほうがカフェイン量が多くなるため、使用するコーヒー豆の量は少なくしたほうが良いかもしれません。ですが、その場合は併せてコーヒーの抽出量を少なくしないと、味が薄くなってしまいます。
一方、体積ではなくグラム数でコーヒー豆を量る、重量ベースの場合です。深煎りのコーヒー豆は浅煎りのコーヒー豆よりもカフェイン量が少なくなりますが、水分なども抜けていくため、重量は軽くなります。つまり、深煎りのコーヒー豆で浅煎りのコーヒー豆と同じ重量のコーヒー豆を用意するには、より多くのコーヒー豆が必要となります。
すると、浅煎りのコーヒー豆より1粒あたりのコーヒー豆のカフェイン量は少なくなりますが、使用するコーヒー豆の量は増えるため、重量ベースでコーヒー豆を量ると、カフェイン量は浅煎りでも深煎りでもほとんど差なくなります。
つまり、浅煎り・深煎りを気にせずコーヒーを飲みたいなら、コーヒー豆はスプーン1杯などの体積ベースではなく、グラム数で使用するコーヒー豆の量を量ることをオススメします。
コーヒー、カフェインと上手に付き合う
コーヒーのカフェインについて、色々な観点から紹介してみました。カフェインは手軽に摂取できるものですが、摂るだけで眠気を覚ましたり、過剰に摂取すれば体に悪影響を与えるものです。そのため、自分の体調などを考慮して、上手く付き合っていく必要があるでしょう。
コーヒーはカフェインも含めてコーヒー
カフェインには良いもの、悪いもの含め様々な効果がありますが、それを含めてコーヒーです。つまり、コーヒーを楽しむということは、カフェインと上手に付き合っていくことが必要なのです。
これまで紹介したように、カフェインは一日あたりの摂取上限量があります。楽しくコーヒーを嗜むためにも、カフェインの摂取量に気をつけて、美味しく飲める量のコーヒーを飲むようにしましょう。
場合によってはカフェインの摂取を控える
カフェインは、目を覚ましたいときに飲めば目が冴えますが、眠りたいときに飲めば覚醒作用によって眠りにくくなってしまいます。また、妊娠中の方はカフェインが体内に長く留まりやすく、カフェインが胎児の発育に影響を及ぼす場合があります。就寝前、妊娠中は、言うなればカフェインには摂取すべきではないタイミングと言えるでしょう。
コーヒーが好きで毎日のように飲んでいる人でも、カフェインの摂取を控えるべきタイミングがあると思います。そういった場合は、デカフェのコーヒーに切り替えるなどして、カフェインの摂取量を少なくするように心がけると良いでしょう。体に影響を与えるカフェインだからこそ、摂取するタイミングに気をつけて、控えるべきときは控えるようにしましょう。