コーヒードリッパー

コーヒーオイルの効果とコーヒーの味わいへの影響

コーヒーの抽出について

コーヒーを淹れるというと、思い浮かべるのはドリッパーと、そこにセットされたコーヒー豆にコーヒーポットからお湯を注いでコーヒーを淹れるシーン、という方が多いと思います。では、なぜコーヒーにお湯を注ぐとコーヒーを淹れることが出来るのでしょうか。

コーヒーを淹れるということ

コーヒーは、コーヒー豆に水もしくは液体を接触させて、それらをまた分離してコーヒーとなります。プアオーバーなら、挽かれたコーヒー豆が入ったドリッパーにお湯が注がれた時点でコーヒー豆とお湯が接触しフィルターによってすぐ分離されコーヒーとなり、フレンチプレスなら挽かれたコーヒー豆にお湯を注いで数分待って、プランジャーを押し下げてカップに注ぐ時点でコーヒー豆とお湯が分離されてコーヒーとして抽出されます。

抽出の原理

基本的にはお湯、場合によっては水でコーヒーを淹れることもありますが、つまりコーヒーはコーヒー豆の成分を液体中に溶け出させることで抽出されます。抽出の具合は主に液体の温度によって変わり、温度が高いほど多くの成分が抽出される傾向にあります。ただし温度が高すぎると、雑味も多く抽出されてしまいます。

コーヒー豆の成分を溶け出させることで抽出されるコーヒーですが、溶け出す成分の中にはコーヒーが持つ油も含まれています。このコーヒー豆の持つ油は一般的にコーヒーオイルと呼ばれ、抽出されたコーヒーの味わいに影響を与える重要な存在です。

コーヒーオイルについて

それでは、コーヒーの味に影響を与えるコーヒーオイルとは一体どのようなものなのでしょうか。

コーヒーオイルとは

コーヒーオイルはコーヒー豆が元来含む油の成分、いわゆる脂質です。コーヒー豆に脂質?と思うかもしれませんが、例えばナッツ類も脂質を含んでいる事を踏まえるとそれほどおかしくは無いですね。コーヒー豆は全体の成分の内およそ1、2割ほどが脂質で出来ているそうです。

コーヒー豆を焙煎する人、焙煎してくれるお店で購入したことがある人はご存知かと思いますが、コーヒーオイルは深煎りに焙煎するほどコーヒー豆の表面ににじみ出てきます。一方、浅煎りの場合は表面にコーヒーオイルは見られません。この場合、コーヒーオイルはコーヒー豆を深煎りした時に分泌されるものと思われがちですが、実は焙煎度にかかわらずコーヒーオイルの含有量は変わりません。深煎りで焙煎した場合に表面ににじみ出てくるのは、単純に熱によってコーヒーオイルが表面ににじみ出てきただけであり、浅煎りの場合はコーヒー豆の内側に留まっているだけなのです。

ただ、細かい話ですが、コーヒーオイルが表面にでてくるのであれば、コーヒー豆がコーヒー豆以外の、手やミルや容器などに触れた場合にコーヒーオイルがコーヒー豆から離れていってしまうということになるので、その分ロスが生まれることになります。そう考えると、浅煎りの方がコーヒーオイルを無駄なく楽しむことが出来るようにも思えます。

コーヒーオイルを摂取すると?

コーヒー”オイル”と聞くと、なんだか太りそうなイメージがあります。しかし、世の中にはサラダ油からオリーブオイルまで様々な種類の油があり、ものによっては体に良いということもあります。そうなるとコーヒーオイルは体に良い油なのかどうか、という点が気になります。

コーヒーオイルの成分については不明な点も多いようで、現時点ではあまりハッキリとした研究結果は出ていないようですが、コーヒーオイルには「ジテルペン」という成分が含まれており、コレステロール値を上昇させるという説があります。このコレステロール値の上昇が原因で高脂血症の原因になるとも言われたようですが、これは一時的なのものであるため心配しなくて良い、という意見が多いようです。

このように、コーヒーオイルの摂取は体への影響という観点ではメリットは無いように見えます。

オイルの有無による味への影響

ですが、コーヒーオイルがコーヒーに含まれているととても味わい深いコーヒーになります。コーヒーオイルが含まれないコーヒーと比較するとコクが増し、飲み口がまろやかに感じられ、風味も一層強く複雑になります。コーヒーオイルの体への影響だけに視点を置くと悪い成分のように見えますが、コーヒーをより楽しむという観点ではコーヒーオイルは欠かせないと言っても良いでしょう。

逆に、コーヒーオイルを含まないコーヒーは、さっぱりとして比較的キレのあるコーヒーになります。コーヒー豆の持つ味わいをより深く楽しみたい場合はコーヒーオイルを含んだコーヒーが良いですが、好みの問題やその時の気分もあるため、一概にどちらが秀でているとは言えないかもしれません。

コーヒーオイルを楽しむ

コーヒー豆の持ち味を存分に味わうためには欠かせないコーヒーオイルは、一体どうすれば抽出することが出来るのでしょうか。

コーヒーオイルを抽出するためには?

コーヒーオイルはコーヒー豆が元来からもつ油です。つまり、特別なことをしなくても、コーヒーを淹れれば必ず抽出されています。しかし、コーヒーを淹れる場合に使用しているコーヒー豆とコーヒーを分離するためのフィルターによってコーヒーオイルがカットされてしまう事が多いため、場合によっては全く抽出されない事もあります。

フィルターにカットされず、より多くのコーヒーオイルを抽出するためには、ペーパーフィルターではなく金属のフィルターを選ぶ必要があります。ペーパーフィルターの場合、紙がコーヒーオイルを吸収してしまったり遮られることでコーヒーオイルを抽出することが殆どできませんが、金属のフィルターの場合、フィルター部分のメッシュがペーパーフィルターよりも荒く、かつ材質がステンレス等の金属であり油を吸収しないため、たくさんのコーヒーオイルを含んだコーヒーを淹れることが可能になります。

コーヒーオイルを抽出できる器具

フィルターが金属であれば、プアオーバー用でもフレンチプレスでも、コーヒーオイルを多く含んだコーヒーを淹れる事ができます。

HARIO (ハリオ) ドリッパー カフェオール コーヒー ドリップ 1~4杯用 ブラック CFOD-02B

コレス ドリッパー ゴールドフィルター コーヒー 2-4カップ用 C245 C245

保温性抜群フレンチプレスコーヒーメーカー(グレー) 1L ステンレス製 マグ約4杯用 ミニ容器付 コーヒーの淹れ方の電子書籍送付

HARIO (ハリオ) ハリオール ブライト N コーヒー & ティー フレンチ プレス 2人用 THJN-2HSV

手軽さを重視するならフレンチプレス、濃い目のコーヒーを淹れたいならプアオーバー用の金属フィルターを使用してコーヒーを淹れれば、コーヒーオイルをたっぷり含んだ美味しいコーヒーを淹れることが出来ます。

コーヒーオイルまとめ

コーヒーオイルについてご紹介しました。最後にコーヒーオイルについて簡単にまとめてみたいと思います。

コーヒー豆が本来持つ美味しさ

コーヒーオイルの良い部分、悪い部分について書きましたが、結局コーヒーオイルとは何なんだ?と言われたら、月並みですが、コーヒー豆がもつ本来の個性・美味しさの源という表現が妥当なのかと思います。コーヒー豆に限らず、人間の口に入るものは大抵メリットとデメリットを併せ持っています。それがコーヒーオイルの場合はメリットが美味しさ、デメリットがコレステロール値の一時的な上昇というだけであって、それは何も特別なことではありません。コーヒー豆の100%の個性・味わいを楽しむためにも、コーヒーオイルは欠かせないでしょう。

コーヒー豆本来の個性を引き出した、コーヒーオイルをたくさん含んだコーヒーを飲んだことが無い方はぜひ一度金属フィルターでコーヒーを淹れて、その味わいを堪能してみてください、