コーヒードリッパー

朝食のバターコーヒーでダイエット。材料の揃え方とその効果とは?

【2019-01-07】

コーヒーとスプーンに乗ったバター

バターコーヒーとは何者なのか

カットされたバター

”バターコーヒー”という飲み物の名前を聞いたことがあるでしょうか。その名の通り、バターとコーヒーを組み合わせた飲み物で”完全無欠コーヒー”とも呼ばれます。主にダイエットの一環として飲まれるバターコーヒーは、2015年の後半ごろから話題になりました。

始まりは一冊の本から

バターコーヒーは、デイヴ・アスプリーというアメリカの起業家の方の著書「シリコンバレー式自分を変える最強の食事」(原題:The Bulletproof Diet: Lose Up to a Pound a Day, Reclaim Energy and Focus, Upgrade Your Life)という、簡単に痩せることが出来て、かつ脳のパフォーマンスを上げる食事方法について書かれた本の中で語られたことにより有名になりました。著者は、チベットで飲んだバター茶をヒントに、紅茶をコーヒーに置き換えて、試行錯誤の上完全無欠なコーヒー、バターコーヒーを作り上げました。

シリコンバレー式 自分を変える最強の食事

著書では、バターコーヒーの他に運動や睡眠、摂取することが望ましい食べ物、望ましくない食べ物、それらを利用したレシピなど、完全無欠なダイエット方法について書かれています。

必要な材料は3つだけ。しかし、調達は難しい

バターコーヒーのレシピは単純で、バターとコーヒー、それに加えてMCTオイルと呼ばれる中鎖脂肪酸100%の油だけ。この3つをブレンダー(ミキサー)に入れて30秒ほど撹拌するだけでバターコーヒーの完成です。

ただし、詳細については後述しますが、著者曰く材料となるコーヒーとバターはどんなものでも良いというわけではなく、特にバターは”グラスフェッドバター”という牧草のみを食べて育った牛の、高品質な無塩バターが望ましいとのことなのですが、日本のスーパーでは基本的に手に入りません。そのため、日本で本当のバターコーヒーを作るためには通販を上手く使う必要があります。MCTオイルについても、やはりスーパーで見かけることはあまりありません。

バターコーヒー、でも”ダイエットの一環”

前述したとおり、バターコーヒーの出典となった著書は、主にダイエットに言及した本です。そのため、バターコーヒーもダイエットの一環として語られています。ダイエットなのにバターを入れたコーヒーを飲むの?と思うかもしれませんが、単純にバターコーヒーを飲むことで痩せるというわけではなく、食生活の一部に取り入れる事によって結果的に痩せる、という意味なので気をつけましょう。

バターコーヒーのダイエット効果について

メジャーが巻かれたりんご

一見、バターという言葉がハイカロリーな響きのバターコーヒーですが、飲むことによってどのような効果が得られるのでしょうか。バターコーヒーを実際に飲み続けて体感した効果を交えて説明していきます。

バターコーヒーの何が良いのか

ダイエットにおけるバターコーヒーの効果は、飲むことによって暫くのあいだ空腹を感じにくくなることと、代謝スピードを上げるという点です。材料はコーヒー、バター、MCTオイルだけなので糖質は0で、高脂質であるため消化に時間が掛かる分腹持ちが良いのです。バターとMCTオイルを含むためカロリー自体は高いのですが、高品質な脂質を摂取することで体内の代謝が良くなり、結果的に減量に繋がります。また朝食をバターコーヒーのみにして炭水化物の摂取を無くすことで、身体が一時的にケトーシス(身体のエネルギー源を炭水化物ではなく脂肪とする状態)になり、摂取した脂肪はエネルギー消費に割り当てられます。

材料を用意するのに少々手間がかかりますが、材料さえあれば毎日手軽に摂取することが出来て、かつダイエットに効果的なのが、バターコーヒーの良いところです。

その他の食事も気にかけることが大切

バターコーヒーをダイエットに取り入れる場合、朝食をバターコーヒーのみに置き換えるようにしますが、朝食をバターコーヒーだけで済ませれば、後はどんな食事をしても大丈夫!ということではありません。バターコーヒーを飲めば満腹感が生まれ、間食したくなることは少なくなりますが、お昼ご飯までの間やそれ以降に間食したり、朝を軽く済ませたから後は沢山食べる、なんて事をすれば痩せることは無いでしょう。

バターコーヒーはあくまでダイエットの一つの要素であって、それだけで痩せるわけではない、ということを念頭に置いておく必要があるでしょう。

実際にバターコーヒーを飲み続けた結果

飲むだけで満腹感が得られ、かつ代謝をアップさせるバターコーヒーの効果を確かめるために、実際に3ヶ月間ほど毎朝飲み続けてみました。飲み始めて何日か経つと、バターコーヒーを飲むとすぐ体温が上がって汗をかきはじめる事に気が付きました。これは温かい飲み物を飲んだせいもありますが、明らかに通常のホットコーヒーを飲むよりも身体が熱くなります。高品質の脂質を摂取することで、代謝が良くなっているのでしょう。

満腹感については、バターコーヒーを毎朝飲んでいるときはあまり効果を感じませんでしたが、バターコーヒー飲むのをやめて普通に朝食を摂るようになってから、明らかに普通に朝食をとったときとバターコーヒーを飲んでいたときでは、時間の経過による空腹感の感じ方が違いました。バターコーヒーを飲んでいたときは、お昼を過ぎた頃くらいに少しお腹が空くのを感じましたが、普通に朝食を食べたときは、お昼前には明らかな空腹を感じました。

もともと痩せているためダイエットの効果は実感しにくかったのですが、少なくとも通常の朝食よりもハイカロリーなバターコーヒーを飲んでも太ることはなく、満腹が得られて代謝が上がることは実感できました。また、空腹感を感じにくいため仕事に集中しやすくなったというメリットもありました。

バターコーヒーの作り方と味わい

バターコーヒー

ダイエットに有効なバターコーヒーですが、前述したように材料は何でも良いわけではなく、高品質なものを使用する必要があります。次に、良い材料を安く手に入れるコツとバター作り方、注意点などをご紹介します。

バターコーヒーの材料

バターコーヒーの材料は、コーヒー、バター、MCTオイルの3つです。ただし、コーヒーは高品質なコーヒー豆を使用して淹れたもの、バターはグラスフェッドバターと呼ばれる牧草のみを食べて育った牛の無塩バター、というのが必要な条件です。なお、MCTオイルはココナッツ由来100%の油で、MCTオイルとして販売されているものであれば大丈夫です。

これらの材料は、スーパーなどでは手に入りにくく、あったとしても値段が高いです。スペシャルティコーヒーは輸入食品店ではなく、ちゃんとしたコーヒー豆を扱っている専門店でないと購入することは出来ませんし、グラスフェッドバターは店頭では見かけず、あったとしても通常のバターの数倍の値段はするでしょう。MCTオイルも同様です。

材料の値段と手に入りにくさを考えると、他のもので代用したくなるでしょう。特に、バターコーヒーで一番重要なグラスフェッドバターは、適当なスーパーで買った無塩バターで済ませる人も多いようですが、それではそもそもバターコーヒーを飲む意味がなくなってしまうので注意が必要です。

代用品は探さなくても良い

これらの材料は身近なスーパーなどで探すと手に入りにくいのですが、通販であれば入手する事ができます。ただし、コーヒー豆、グラスフェッドバター、MCTオイルのどれもが品質の良い食品であるため値段は少々高くなっています。

そこで、少しでも安く購入する方法として、まとめ買いをオススメします。

3個セット 有機バイオバター グラスフェッドバター 無塩バター

たとえば、上記のグラスフェッドバターを購入するよりも、

業務用5kg フォンテラ社グラスフェッドバター

ニュージランド産 グラスフェットバター無塩1kg 冷凍

これらの業務用のグラスフェッドバターを購入するほうが、数倍安くに購入することが出来ます。また、5kgで9000円程度であれば、スーパーで200gの無塩バターを購入するのとコスト的にはほとんど変わりがなく、むしろ高品質なバターを安く購入できると言って良いでしょう。

MCTオイルについても、同様にまとめ買いがお得です。

仙台勝山館MCTオイル360g <ココナッツベース・中鎖脂肪酸100%>

1本で販売しているものを購入するよりも、

(3本セット)MCTオイル 360g ココナッツ由来100%

数本でセットになったもののほうが安く購入することが出来ます。

まとめ買いする場合の注意点としては、一度に買う量が多いため、保管しておくスペースが必要になるという点です。特にグラスフェッドバターの場合は冷蔵庫や冷凍庫の容量に余裕が無いと購入するのが難しく、また、しばらくはそれで一杯になってしまうというデメリットもあります。そのため、継続的に消費できるか等もよく考えてから購入する量を選ぶようにしましょう。ちなみに、賞味期限が気になるかと思いますが、業務用のグラスフェッドバターは冷凍のもので、賞味期限は1年ほどあるためその点の心配はいりません。

バターコーヒーを作る場合、グラスフェッドバターとMCTオイルは同時に消費されるものですので、バターかMCTオイル、どちらか一方をまとめ買いするなら、もう一方もまとめ買いすることをオススメします。

コーヒーはできればインスタントではなくコーヒー豆から

コーヒーについては、もともとコーヒー豆を挽いてコーヒーを飲む習慣がない人はインスタントのものを使用してバターコーヒーを淹れるようですが、これもできればスペシャルティコーヒーを、コーヒー豆から挽いてコーヒー淹れるのが望ましいでしょう。

ただ、その場合にはコーヒー豆以外にもコーヒーミルなど用意する必要があり、コストがかかるため、無理に用意する必要はありませんが、近くに品質の良いコーヒー豆を取り扱うコーヒー豆の専門店があれば、コーヒー豆をそこで購入して、挽いてもらったものでコーヒーを淹れるのが良いでしょう。

もしくは、以下のようなスペシャルティコーヒーを扱うコーヒー豆の専門店の通販を利用して、コーヒー豆を購入するのもアリです。

また、コーヒー豆からコーヒーを淹れる場合は、フレンチプレスで淹れることで手軽かつコーヒーオイルを含んだコーヒーを抽出することが出来るのでオススメです。フレンチプレスについては、こちらの記事も読んでみて下さい。また、コーヒーオイルについてはこちらをどうぞ。

HARIO (ハリオ) ハリオール ブライト N コーヒー & ティー フレンチ プレス 2人用 THJN-2HSV

Coffee Gator フレンチプレス コーヒーメーカー 1000ml(グレー)ステンレス製で頑丈・保温性抜群 約4杯分 携帯用ミニ容器付

バターコーヒーを淹れるのは朝ですので、時間があまりとれないことが多いと思います。フレンチプレスは挽いたコーヒー豆とお湯があれば簡単にコーヒーを淹れることが可能ですので、時間がないときに、片手間にコーヒーを淹れる方法としてオススメです。

撹拌が重要、バターコーヒーの作り方

材料の揃え方がわかったら、次はバターコーヒーの作り方です。冒頭にも書きましたが、作り方は非常に簡単で、淹れたてのコーヒーとグラスフェッドバター、MCTオイルをブレンダー(ミキサー)で30秒ほど撹拌するだけです。基本の分量はグラスフェッドバターとMCTオイルがそれぞれ大さじ1、2杯程度ずつで、コーヒーは好きな分量で良いですが、250ml〜300mlほどがちょうど良いと思います。なお、MCTオイルは摂取しすぎるとお腹が緩くなる場合があるため、最初は小さじ1杯から始めるなど、自分の体の様子を見ながら分量を調節していくのが良いでしょう。

また、バターコーヒーはただこれらの材料を摂取すればよいのではなく、撹拌することが重要です。グラスフェッドバターとMCTオイルはしっかりと撹拌されることで”ミセル”という状態に分解され、この状態で摂取することによって脂肪をエネルギーとして使いやすくします。そのため、コーヒーと混ぜ合わせる場合にはスプーンでかき混ぜるのではなく、ブレンダーを使用する必要があります。

ティファール ミキサー クリック&テイスト ルビーレッド BL143GJP

タイガー ミルつき ミキサー 700ml ブラック スムージー ジューサー SKS-G700-K Tiger

ブレンダーは本体のボトルが樹脂製の製品とガラス製の製品がありますが、バターコーヒーは淹れたてのホットコーヒー(60℃ほど)を混ぜ合わせるため、耐熱性の高いガラス製ボトルのブレンダーがオススメです。樹脂製の安いものだと、使用しているうちに熱によって徐々にボトルが歪んでくる場合があります。

また、バターやオイルと混ぜ合わせるため、樹脂製ボトルだと洗い物の際に油分を落とし切るのが大変です。しかし、ガラスであれば樹脂よりも油分が落ちやすいため、手入れも比較的簡単になります。

バターコーヒーの味

しっかりと撹拌されたバターコーヒーは、カフェオレのような色で、カップに注ぐと上部にバターとオイルで出来た泡が浮かびます。味わいはクリーミーで油分が強く、初めて飲む場合は重たいと感じる人もいるでしょう。2、3杯飲むと味には慣れますが、美味しいと思うかどうかは正直なところ、人それぞれです。

苦味の強いコーヒーを使用すると、比較的バターの風味と苦味が溶け合って美味しく飲む事ができますが、苦味が弱い、酸味の強いコーヒーだとバターの風味とコーヒーがマッチせずイマイチな味わいになるため、苦味が強く、酸味の少ないコーヒーを使用すると良いでしょう。独特の苦味を持つ、深煎りのマンデリンなどがオススメです。

結局、ダイエットにバターコーヒーは効果があるのか

海辺の本とマグカップ

バターコーヒーについて紹介しましたが、結局のところバターコーヒーは飲む価値のあるものなのか、という点については疑問に思う方もいるかと思います。これについて、効果とコストの部分からまとめてみたいと思います。

空腹感を抑える効果はある

まず、朝食を通常通り食べる場合とバターコーヒーのみにした場合の空腹感の感じやすさを比較すると、明らかにバターコーヒーを飲んだときのほうが空腹感は感じにくくなります。これにより、昼食時の空腹による食べ過ぎを防ぐ効果もあるでしょう。しかし、あくまで通常の朝食を摂ったときよりも腹持ちが良くなるという意味で、飲めばお腹が空かないということはないので注意が必要です。

痩せるかどうかは自分次第

バターとMCTオイルをよく撹拌して摂取することで代謝を良くし、朝食をバターコーヒーのみにすることで一時的にケトーシスにとなり、脂肪をエネルギーとして消費するようになるため、摂取カロリーが過剰にならなければ朝にバターコーヒーを飲むだけでも痩せることは可能でしょう。少なくとも、バターコーヒーを飲み始めることで太るということはありません。

しかしその分、昼食や夕食の摂取カロリーが多かったり、間食が多い場合は、当たり前ですが痩せることはないでしょう。朝食をバターコーヒーに置き換えて、かつそれ以外の食生活はハイカロリーにならないように維持し続けることが大事です。

コストパフォーマンスは悪くはない

高品質なグラスフェッドバター、MCTオイル、そしてスペシャルティコーヒーを揃える必要があるため、バターコーヒーのコストは高いと思うでしょう。しかし、まとめ買いすればグラスフェッドバターは通常のスーパーで売っているバター程度の価格で購入できますし、MCTオイルも通常の油と比較すると高額ですが、ある程度は安く手に入れることができます。スペシャルティコーヒーは、安いものであれば100gの量を800円ぐらいで購入できます。

これらの材料を使用してバターコーヒーを作って朝食を済ませる場合、1回あたり200円前後ほどになります。普段の朝食代と考えると割高に感じますが、朝食がこれだけで済むこと、混ぜるだけで手軽に用意できること、ダイエットに役立つ効果があることを考えると、コストパフォーマンスは悪くないでしょう。

結論:バターコーヒーを試す価値はある

コスト面や材料の調達で少しハードルが高いバターコーヒーですが、朝食が簡単に済み、確実に空腹感への効果はありますし、飲むことで太ることもありません。ダイエットで悩んでいる方は、一つの方法として試す価値はあります。

バターコーヒーを飲んだことがない人は、ぜひ一度その効果を試してみてください。

バターコーヒーを作るのが面倒な場合

溶かすだけで作れるバターコーヒー

バターコーヒーを試してみたいけれど、毎回作るのが面倒だな・・・、と思う人は、お湯や水に溶かすだけで作れるチャコールバターコーヒーといった、手軽にバターコーヒーを作ることが出来る製品を試してみるのも一つの手でしょう。ただ、こういったものよりも、高品質なスペシャルティコーヒー、グラスフェッドバター、MCTオイルで作るバターコーヒーが一番なのは間違い無いので、本当のバターコーヒーとの比較というつもりで、お試し程度にしておくのが良いでしょう。