コーヒードリッパー

長時間、温かい/冷たいコーヒーを楽しむならタンブラーがオススメ

タンブラーを持つ男性

コーヒーとタンブラー

ステンレスのタンブラーを持ち上げる手

美味しいコーヒーは温かいままはもちろん、冷めても美味しいですが、ホットで淹れたコーヒーはなるべくずっと温かく、アイスコーヒーはずっと冷たいままで楽しみたいことがあります。しかし、カップに注がれたコーヒーの温度は時間とともに徐々に変化し、温かいコーヒーは冷たく、冷たいコーヒーはぬるくなってしまいます。長い時間、コーヒーの温度を維持したまま楽しむためにはどうすれば良いのでしょうか。

コーヒーを長時間温かく/冷たい状態で飲むためには?

なるべく長い間、コーヒーを淹れたての温度のままで楽しみたい場合に考える必要があるのは、コーヒーを長時間保温・保冷する方法です。通常、コーヒーを飲むときに使用する陶器のコーヒーカップやマグカップ、ガラス製のコップといった種類のものだと、保温・保冷性は低く、淹れたてのコーヒーはあっという間に冷めてしまい、冷たかったコーヒーはぬるくなってしまいます。

つまり、コーヒーを長く保温・保冷しておこうと考えた場合、通常のコーヒーカップなどでは保温・保冷能力が不十分です。そこで、長時間コーヒーの温度を維持したまま楽しみたい人の間では、陶器のコーヒーカップやガラスのコップ等よりも高い保温・保冷能力を持つ、タンブラーにコーヒーを入れて飲むのが主流となっています。

タンブラーで長時間温度を維持してコーヒーを楽しむ

タンブラーは飲み物を入れるためのコップです。タンブラーの見た目や構造には色々ありますが、スタンダードなものはステンレス製で真空二重構造になっているものでしょう。真空二重構造とは、2重になったステンレスなど素材の間が真空状態になっていることで、空気を伝って熱が外部に漏れない様になっている構造の事です(参考:サーモス「魔法瓶の秘密」)。

真空二重構造のタンブラーは、コーヒーカップ等の陶器やガラスのコップよりも外気の影響を受けにくく、それによりタンブラー内部のコーヒーも温度の変化が少なくなるため、タンブラーに注いだコーヒーの温度を長時間維持することが可能なのです。

タンブラーにコーヒーを注ぐだけで、陶器のコーヒーカップに注ぐよりも、温かいコーヒーはより長い時間温かく、冷たいコーヒーはより長い時間冷たいまま楽しむことが出来るのが、タンブラーが支持される理由です。

ずっと温度を維持できるわけではない点に注意

ただ注意しておきたいのが、真空二重構造のタンブラーは陶器やガラスのコップと比較して保温・保冷性が非常に高いですが、ずっと同じ温度を保ち続ける事ができるというわけではなく、少なからず温度の変化は起こるという事です。タンブラーの形状にもよりますが、グラスのような形の蓋のないタンブラーの場合だと、1〜2時間もすれば温かいコーヒーはそれなりにぬるくなるでしょう。

ですが、通常のコーヒーカップなどと比較すれば真空二重構造のタンブラーが温度を維持出来る時間は非常に長いのは確かで、コーヒーカップに注いだコーヒーがすぐ冷めてしまったり、ぬるくなってしまう事に嫌気がさしている人には、タンブラーは絶対的にオススメできるでしょう。

そもそもタンブラーって何?

illyのタンブラー

タンブラーの紹介をしていく前に、タンブラーについて少し掘り下げてみたいと思います。いつの間にか”タンブラー”という言葉が一般的になっていて、今では誰でもその姿形を思い浮かべることができますが、そもそもタンブラーとはどういったものを指す言葉なのでしょうか。

タンブラーとは、一般的なグラスである

タンブラーとは、シリンダー(円筒)の形をしたグラスのことを指します。つまり別の言葉で言うならば、”コップ”です。現在タンブラーと言うと、飲み物の温度を長時間保つ事ができる、真空二重構造などの保温・保冷性の高いステンレス製のコップを思い浮かべる人が多いと思いますが、実際のところは普段から使用しているガラスのコップもタンブラーなのです。

また、私達が普段タンブラーと呼ぶものは、その他、”ステンレスマグ”や”サーモマグ”とも呼ばれます。

なぜコップとタンブラーを分けて呼ぶのか

そうすると少し気になるのが、コップとタンブラーを区別して呼ぶ理由です。タンブラーもコップも一緒のものであれば、私達が普段タンブラーと呼ぶものは”ステンレスコップ”と呼んでも良いですし、コップを”ガラスタンブラー”と呼んでも問題はないはずです。

また、タンブラーとコップを区別して呼ぶのは日本独自の文化とも考えましたが、画像検索で英語の”tumbler”で検索したときに出てくるのはほとんどステンレス製のコップであることを見ると、日本だけがタンブラーをステンレス製のコップと位置づけている訳でも無いように見えます

そうすると考えられるのが、真空二重構造のタンブラーの普及による影響です。保温・保冷性の高い、ステンレス製のコップが登場し爆発的に普及したとき、製品名に普段聞き馴染みのない”タンブラー”という言葉を用いたことで、「ステンレスのコップ = タンブラー」というイメージがユーザーに定着し、以降そのように認識するようになったと考えられるでしょう。

蓋付き、マグ型、コップ型。種類豊富なタンブラー

タンブラーの定義は広く、ビールグラスのような形をしたものから、取っ手のついたマグカップ型、蓋のついた言わば水筒のようなものも場合によってはタンブラーと呼ばれます。現在、タンブラーと呼ばれる定義は曖昧ですが、保温・保冷性のあるコップ全般をタンブラーと呼ぶと考えれば良いでしょう。

登場してから一気に普及したタンブラーですが、現在は定番の商品から聞いたことのないようなメーカーの製品まで、とても多くの種類の製品が出回っています。ここからは、コーヒーを飲むためにピッタリのコーヒータンブラーをピックアップして紹介したいと思います。

コーヒーを飲むのにピッタリのタンブラーは?

スターバックスのタンブラーを持つ女性

タンブラーの種類はとても豊富で、形状はもちろん、材質、保温・保冷などの性能も違います。そのため、家でコーヒーを飲むのか、外で飲むのかなど、シチュエーションによってマッチするタンブラーは異なります。

家でコーヒーを飲むならこのタンブラー

家でタンブラーにコーヒーを淹れて飲む場合、蓋は必要ないため、シンプルなコップ型のタンブラーを選ぶと良いでしょう。

サーモス 真空断熱タンブラー 420ml ステンレス JDE-420

サーモス 真空断熱タンブラー 300ml ステンレス JDI-300 S

特にオススメなのが、”サーモス”の真空断熱タンブラーです。世界最大規模でステンレス製魔法瓶を製造・販売するサーモスのタンブラーは、温かいコーヒーは温かいまま、冷たいコーヒーは冷たいまま、長時間保温・保冷してくれます。その性能は折り紙付きで、保温・保冷を第一に考えるのであればサーモスのタンブラーで間違いないでしょう。カラーバリエーションはいくつかありますが、基本的にステンレスのシンプルな外観で、オシャレとは言い難いですが、家で使うと考えれば見た目についてはマイナス要素ではないかと思います。

象印 ( ZOJIRUSHI ) まほうびんステンレスタンブラー 450ml ディープブルー SX-DD45-AD

シービージャパン タンブラー ピンク 375ml

同じく、大手魔法瓶メーカーの”象印”が販売するタンブラーも、保温・保冷性に優れていてオススメです。こちらは少しですがカラーバリエーションも用意されており、象印の象のマークが可愛らしくあしらわれています。

”CB JAPAN(シービージャパン)”が販売するタンブラーは、真空二重構造ながらも飲み口が薄く口当たりが良い構造になっています。また、カラーバリエーションが豊富で、見た目も機能性もこだわりたい人にオススメです。

和平フレイズ タンブラー カップ 340ml ステンレス 日本製 燕研磨ファクトリー TM-9850

パール金属 真空 断熱 カップ 300ml ステンレス H-6051

”和平フレイズ”のタンブラーは、ステンレス製品の街新潟県燕市の職人が作り上げた、鏡面仕上げが美しいタンブラーです。コーヒーと言うよりは日本酒やウイスキー等の酒類を飲むためのものですが、100ml〜400mlとサイズも豊富で、コーヒー用としても使用できます。ただ、真空二重構造ではないため保温・保冷性は低めで、冷たいコーヒーを入れた場合には結露してしまいます。

”パール金属”のタンブラーは真空二重構造で保温・保冷性も良く、持ち手がくる辺りが少しくびれた形をしていることで手で握りやすくなっており、使用感が考慮された作りとなっています。

タンブラーにコーヒーを淹れて持ち運ぶならコレ

自宅だけではなく、職場でコーヒーを飲んだり、ドライブ中にコーヒーを楽しみたい人は、水筒や蓋付きのタンブラーを準備する必要があります。水筒を使うのも良いですが、ここでは蓋付きのタンブラーに絞って、持ち運びに最適なタンブラーをいくつかピックアップしてみます。

再度注意しておきたいのが、真空二重構造の蓋付きタンブラーでも、徐々にコーヒーの温度は変化していきます。淹れたてのコーヒーをタンブラーに注いだら、なるべく早く飲み切ることをおすすめします。

HARIO (ハリオ) タンブラー フタ付き V60 ウチマグ 真空二重ステンレス 350ml ヘアラインシルバー VUW-35HSV

HARIO (ハリオ) タンブラー フタ付き V60 ウチマグ 真空二重 ステンレス 350ml ブラック VUM-35B

大手コーヒー器具メーカー”HARIO(ハリオ)”のが販売するタンブラーは、真空二重構造で長時間の保温・保冷に適しており、外でも淹れたてのコーヒーを楽しむことができます。スッキリとした見た目で色の種類も少ないですが、シンプルな飽きのこないデザインとなっています。タンブラーにハリオのV60ドリッパーを乗せて、直接コーヒーをタンブラーにドリップすることも可能です。

ハリオの蓋付きタンブラーは、蓋に直に飲み口がついています。このタイプの蓋付きタンブラーは、カバンの中で蓋が誤って開いてしまい、中身がこぼれてしまうというケースも稀にあるため、激しく動く場合などには注意が必要です。

ステンレス ToGoロゴタンブラーマットホワイト トール 350ml

ステンレスToGoロゴタンブラーマットブラック 350ml スターバックス Starbucks Matt Black

お馴染みの”スターバックス”は、まるでペーパーカップのような見た目のタンブラーを販売しています。見た目はペーパーカップですが、構造は真空二重構造のステンレス製でしっかりとしており、注ぎ口が広くなっているため、飲み物を注いだり氷を入れるのが簡単で、比較的手入れもしやすくなっています。飲み口はスタバのペーパーカップのような、小さな穴が空いているスタイルで、まるでスターバックスでコーヒーを飲んでいるような感覚でコーヒーを楽しむことができます。

thermo mug(サーモマグ) モバイルタンブラー NAVY M16-35

ドウシシャ タンブラー ふた付き コンビニマグ ダイレクトタイプ 真空断熱 直接ドリップ 0.36L ブラック CBCT400BK

スタイリッシュな真空二重構造のタンブラーを販売している日本のメーカー、”thermo mug(サーモマグ)”のタンブラーも、シンプルながらもスタイリッシュでおすすめです。サーモマグのタンブラーは蓋付きですが、蓋には飲み口がついておらず、蓋を外してタンブラーから直に飲むタイプの製品です。このタイプは密封性に優れているため、蓋に飲み口がついているものよりも保温・保冷性が高めで、溢れる心配もありません。長い距離を持ち歩く場合には、こういった蓋に飲み口のない蓋付きタンブラーが良いでしょう。

”ドウシシャ”のタンブラーは、シンプルで安価、かつ真空二重構造で保温・保冷性も十分で、とりあえず蓋付きのタンブラーがどういったものなのか試してみたい方におすすめです。

UDMG 二重構造断熱コーヒーカップ セラミックタンブラー 300ml 蓋つき コースター付き (ブラウン)

ゴートマグ タンブラー 470ml マルサラ GM-1032M16

また、ステンレス製のタンブラーが嫌な方は、セラミックやプラスチックのタンブラーという選択肢もあります。保温・保冷性は真空二重構造のものには劣りますが、重量は軽く、見た目もステンレス製のタンブラーよりバリエーションが増えるため、保温・保冷性以外の要素を重視したい人は、ステンレス以外の材質のタンブラーを選ぶと良いでしょう。

手入れがしやすいか、は重要なポイント!

タンブラー選びにおいて、保温・保冷性能や見た目は重要ですが、もう一つ重要な点として、手入れがしやすいかどうか、というものがあります。コーヒーを飲んだら、洗い物が必要です。洗い物のとき、背が高く注ぎ口が細いタンブラーは、そのままでは手が入らず、底までスポンジが届かない場合があります。また、蓋付きタンブラーの場合、小さなゴムパッキンなど、分解できるパーツがあればあるほど洗い物は面倒になるでしょう。

買ったは良いが手入れが面倒だから・・・となってしまい、いつか使わなくなってしまうのは勿体無いことです。タンブラーを選ぶ場合は、注ぎ口の大きさやパーツの数を事前に確認しておきましょう。可能であれば、直接お店で確認するのがベストです。

コンビニ、スタバ派にもタンブラーがオススメ!

自宅でコーヒーを淹れない人でも、コンビニでコーヒーを買って飲む、スタバやドトール、タリーズでコーヒーを飲むという人は、蓋付きのタンブラーを持っておくことをオススメします。というのも、コーヒーショップやコンビニで注文したコーヒーを持参したタンブラー入れてもらうと、お店によって数十円程度の割引を受けられるためです。

また、コンビニやコーヒーショップのプラスチックの容器より、タンブラーにコーヒーを入れたほうが長く保温・保冷することが可能ですので、頻繁にコンビニやコーヒーショップでコーヒーを買って飲む人は、是非ひとつ蓋付きのタンブラーを購入しておくことをオススメします。ただし注意したいのが、タンブラーの背が高すぎると、コンビニではコーヒーマシンの注ぎ口にセットできず、コーヒーを注ぐことができない場合があります。そのため、事前に調査の上、タンブラーを選ぶようにしましょう。

お気に入りのタンブラーを見つけてコーヒーを楽しむ

白いタンブラー

家では家で使用するのに向いた、外では外で使用するのに向いたタンブラーがあります。是非、使いやすいタンブラーを見つけて、いつもと違ったコーヒー体験を感じてみてください。

自分にピッタリのタンブラーを見つけるには

世の中に出回っているタンブラーはとても種類が多いので、はじめから自分にあったモノを手にすることは少ないと思います。そしてそれは、こだわりが強い人ほど難しいでしょう。

とりあえずタンブラーを試したい、という人は、ドウシシャのタンブラーなど安価なモノを、こだわりがあまりない人は、サーモスやハリオなど、大手メーカーのモノを購入すればハズレはありません。オシャレで機能的なものを、という人は、サーモマグのタンブラーなどが選択肢としてアリでしょう。

気にいるかどうかは、実際に使ってみなければ分かりません。タンブラーは高級品ではありませんので、都度購入して試してみて、実際に気に入るものにたどり着くまで買い換えるのもまた一つの方法でしょう。

タンブラーでいつもと少し違ったコーヒー体験を

マグカップやコーヒーカップでコーヒーを飲むことも一興ですが、淹れたての味わいを長く楽しむことができるタンブラーで飲むコーヒーもまた美味しいものです。

まだタンブラーが家に無い人は、是非ひとつ持っておいて、毎日ではなくても良いので、たまにタンブラーでコーヒーを飲んでみてください。いつもとは違ったコーヒーの楽しみ方が見つかるはずです。