ペーパーフィルターと金属フィルターで淹れるコーヒーの違いは?
【2018-04-20】
コーヒーとフィルター
コーヒー豆を挽いてコーヒーを淹れる場合、プアオーバー、フレンチプレス、サイフォン、エアロプレス、マキネッタなど、抽出方法はいくつかあります。プアオーバー以外の抽出方法はそれ以上に細分化されることはありませんが、プアオーバーについてはそこから更に分類する事ができます。
フィルターの種類
プアオーバーでコーヒーを淹れる場合は、フィルターを通すことでコーヒー豆とコーヒー豆の中を通ってきたお湯を分離してコーヒーを淹れます。このフィルターの種類は大まかに分けて3つ、ペーパーフィルター、ネルフィルター、金属フィルターに分けられます。
ネルフィルターについては、他2つのフィルターと違って使用方法が少々異なり、また保管方法に気を使わなければいけない、出回っている製品が少ない等の理由もあり、あまり使用したことがない人は多いと思います。そのため、家でコーヒー豆を挽いてコーヒーを淹れる場合は、ペーパーフィルターかステンレス等の金属フィルターが主流になっていると思います。
ペーパーフィルターと金属フィルター
自宅でコーヒーを淹れる場合に主に使用されるペーパーフィルターとステンレス等の金属フィルターですが、同じコーヒー豆を使用しても、それぞれのフィルターで淹れたコーヒーの味わいは異なります。これは紙と金属、それぞれの材質によってコーヒーがフィルターを通過したときに濾過される程度が異なるためです。
どちらかが良いということではなく、フィルターによって一長一短があります。以降に、ペーパーフィルターと金属フィルター、それぞれのメリット・デメリットを挙げていきたいと思います。
ペーパーフィルターの特徴
ペーパーフィルターでコーヒーを淹れる場合のメリットとデメリットについては以下のようになります。
ペーパーフィルターのメリット
- 手軽に始められる
- スッキリとした味わいのコーヒーを淹れることができる
- 後片付けが簡単
ペーパーフィルターでコーヒーを淹れる場合、ドリッパーとそれに合ったペーパーフィルターが必要です。ドリッパーも樹脂製の安価な物が販売されており、ペーパーフィルターも紙であるため安価です。そのため、費用がかからないという面で手軽に始めやすいという特徴があります。また、スーパーなどでもドリッパーとペーパーフィルターを購入することが出来るので、入手しやすいです。
ペーパーフィルターで淹れたコーヒーは、コーヒーに含まれる油、コーヒーオイルがフィルターによってカットされるため、キリッとした飲み口のコーヒーを淹れることが出来ます。気分を切り替えたいときや目を覚ましたいときには、ペーパーフィルターで淹れたコーヒーが良いでしょう。また、コーヒーを淹れた後はペーパーフィルターごとゴミ箱に捨てれば良いので、コーヒーのカスが散らばること無く後片付けが簡単なのも良いところです。
ペーパーフィルターのデメリット
- フィルターは使い捨て
- ドリッパーが必要
- コーヒーオイルを抽出することが出来ない
ペーパーフィルターは安価ですが、1回毎に使い捨てです。ペーパーフィルターにも品質があり、数百円程度ですが値段が高いものもあるので、頻繁にコーヒーを淹れる場合は少しお金がかかるかもしれません。また、ペーパーフィルターでコーヒーを淹れる場合はドリッパーも必要です。プラスチック製のものであれば安価ですが、陶器やガラス製のものは少々値段がしますし、壊れた場合は買い換える必要があります。
ですが、ここまでは気にするほどのデメリットではありません。最大のデメリットは、メリットの部分に書いたコーヒーオイルがカットされるという点です。スッキリとした飲みくちのコーヒーを飲みたい場合はコーヒーオイルがない方が良いのでメリットとしましたが、コーヒーオイルはコーヒー豆の本来の味わいを最大限楽しむためには欠かせない成分です。そのため、スッキリとしたキレのあるコーヒーをどうしても飲みたいという場合以外では、コーヒーオイルがカットされてしまうのは大きなデメリットとなります。
ペーパーフィルターの製品
ペーパーフィルターはコーヒー器具メーカー各社より、様々な種類の製品が販売されています。
HARIO (ハリオ) V60 用 ペーパーフィルター 01W 1~2杯用 100枚入り ホワイト VCF-01-100W |
ペーパーフィルターでコーヒーを淹れる場合には、フィルターの規格にあったドリッパーが必要です。ペーパーフィルターは主に扇形と円錐形の2種類があるので、それぞれの形にあった製品を選びましょう。分からない場合、ドリッパーとペーパーフィルター、両方とも同じメーカーの物を使用すれば間違いありません。ただし、ペーパーフィルターのサイズには注意しましょう。
ペーパーフィルターはプラスチックのドリッパーが安価なので、色々試しやすいのが良い点でしょう。
金属フィルターの特徴
金属フィルターでコーヒーを淹れる場合のメリットとデメリットについては以下のようになります。
金属フィルターのメリット
- 金属フィルターだけでコーヒーが淹れられる
- 使い捨てる道具が無い
- コーヒーオイルを抽出することができる
ペーパーフィルターでコーヒーを淹れる場合、ドリッパーとフィルターをセットで使用する必要がありますが、金属フィルターは殆どの製品がフィルター=ドリッパーとなっているので、ほとんどの場合、金属フィルターを購入すれば別途ドリッパーは必要ありません。また、金属フィルターはコーヒーを淹れた後は洗って使い回すので、ペーパーフィルターのようにコーヒーを淹れるたびに使い捨てることがなく、その分お金がかかりません。
ペーパーフィルターと比較して最も違うのが、コーヒーオイルを抽出できるという点です。金属フィルターは肉眼で見える程度のステンレス等金属のメッシュとなっているため、コーヒーオイルがフィルターに吸収されたりすること無く、しっかり抽出することが出来ます。これによって、コーヒー豆本来の味わいを最大限楽しむことができるコーヒーを淹れる事が出来ます。
金属フィルターのデメリット
- ペーパーフィルターのドリッパーと比較して高価
- 微粉がコーヒーに混じる
- 後片付けが少し面倒
前述の通り、金属フィルターはそれ自体がドリッパーの役割を果たす場合が多いです。また、材質が金属であるため、ペーパーフィルターに使用するプラスチックのドリッパーを購入する場合と比較すると、製品にもよりますが少々コストがかかります。ただ、とても高価、ということはありません。
金属フィルターはメッシュがペーパーフィルターと比べて荒いため、隙間から細かなコーヒーの微粉が漏れてコーヒーに混じってしまいます。微粉が含まれることで飲みくちがスッキリしなくなり、また微粉がコーヒーカップの底に沈殿することで、飲み干す直前に口の中に一気に流れ込んできますので、全体的な飲み心地、口当たりはあまり良くありません。
ペーパーフィルターはコーヒーを淹れ終えた後フィルターごと摘んで捨てれば良いですが、金属フィルターは使い捨てではありませんので、コーヒーのカスを捨てて洗ってあげる必要があります。字面だとそれほど面倒ではないように見えますが、金属フィルターの製品によってはメッシュの目詰まりがあるなどして、掃除が面倒な場合があります。これについては、金属フィルターを購入してみる使用するまで分かりません。
金属フィルターの製品
金属フィルターは様々なメーカーから製品が販売されていますが、ステンレス等の金属という都合上、コーヒー器具のメーカーではないキッチン用品のメーカーやステンレス製品メーカーなども製品を販売しています。
前述したキッチン用品やステンレス製品のメーカーが販売しているものは、形は似ていますが、目詰まりしやすかったり取り回しがしにくいなど、コーヒーを淹れることへの配慮が不足している製品も見られるので注意が必要です。
オススメはcoresのゴールドフィルター です。他の金属フィルター製品と比較すると少々値段が高くなりますが、品質は良く、コーヒーの淹れ始めから淹れ終わりまでストレスがありません。
どちらのフィルターが良い?
ペーパーフィルターと金属フィルターのメリット・デメリットについて紹介しました。どちらも一長一短ありますが、コーヒーを飲む際の好み、スタイルにあわせて選ぶのが良いでしょう。
手軽さならペーパーフィルター
購入コストが低く、後片付けも楽なので、手軽にプアオーバーでコーヒーを楽しみたい人、初めてコーヒー豆を挽いてコーヒーを淹れるという方はペーパーフィルターがオススメです。プラスチックのドリッパーから初めてみて、コーヒーのプアオーバーに慣れていくのが良いかと思います。
なお、ペーパーフィルターは形は一緒でも、100円均一などのいわゆるサードパーティ製のものとドリッパーを販売しているメーカー製では品質が異なります。高価なものではないので、メーカー純正品のものを購入しましょう。
味わい追求するなら金属フィルター
コーヒーの味にこだわりたい人は、金属フィルターがオススメです。金属フィルターで淹れたコーヒーはコーヒーオイルを含むなど、コーヒー豆のもつ味わいを最大限引き出してくれます。金属フィルターは一見高価ですが、一度購入すれば壊れない限りは何度でも使用できますし、初期コストだけで長く使えることを考えるとそれほど高いものでもありません。
ただし、購入する製品によってはフィルターの目詰まりが起こる場合もあるので、どのメーカーの物を購入するかはしっかり選びましょう。
その日の気分にあわせててフィルターを選ぼう
一番ベストなのは、どちらかだけと言わずにペーパーフィルターと金属フィルターの両方を持っておくことです。それぞれのフィルターで淹れたコーヒーは味わいが異なるので、気分によってフィルターを変えてみたり、同じコーヒー豆を両方のフィルターで淹れてみて飲み比べてみたり、色々試してみるのが良いでしょう。
コーヒーを淹れる手段が多ければ多いほど、コーヒーを楽しむことが出来ます。色々試してみて、自分にあったスタイルを見つけてみてください。