コーヒードリッパー

ピーベリー、フラットビーン。コーヒー豆のそれぞれの形と特徴

ピーベリー コーヒー豆

コーヒー豆について

コーヒーはどこから来る?

私達がコーヒーを飲むとき、コーヒー豆を挽いたものにお湯を注いでコーヒーを淹れます。多くの場合目にするコーヒー豆は茶色ですが、これは生のコーヒー豆、つまりコーヒー生豆を焙煎した影響であり、コーヒー生豆は収穫からの経年にもよりますがおおよそ薄い緑をしています。

それでは、焙煎される前、収穫される前のコーヒー生豆は一体どんな状態になっていて、どこから来るのでしょうか。

コーヒー豆は果実の種子

コーヒー豆は大豆などのマメ科の植物ではなく、コーヒーノキに実るコーヒーチェリーと呼ばれる果実の種子です。赤く実ったコーヒーチェリーから外皮と果肉を除去する事で、コーヒー豆として収穫することが出来ます。地域や農園によってコーヒーチェリーからコーヒー豆を取り出す方法(精製方法)が異なり、収穫したコーヒーチェリーをそのまま乾燥させた後に外皮と果肉を取り除く「ナチュラル」精製や、コーヒーチェリーの果肉を取って水洗いしてから乾燥させる「ウォッシュド」精製、果肉を少しだけ残して乾燥させる「パルプドナチュラル」精製などがあります。

このように、コーヒー豆はコーヒーチェリーの果肉を取り払うことで始めて収穫する事ができるものです。次に、具体的にどのようにコーヒーチェリーの中に内包されているのか見ていきたいと思います。

コーヒーチェリーの中のコーヒー豆

コーヒー豆の形

コーヒー豆は、コーヒーチェリーの内部に2つ1組、1対で内包されています。形は通常、縦長の球を半分に割ったような半球状をしていて、平らになっている部分が向かい合って内包されています。これをフラットビーンと呼び、多くのコーヒー豆はこの形をしています。

1対ではないコーヒー豆「ピーベリー」

多くの、と書きましたが、コーヒー豆の中にはフラットビーンとは違う形状をしたコーヒー豆が出来る事があります。それは、ピーベリーと呼ばれる形状のコーヒー豆です。ピーベリーは丸豆とも呼ばれ、フラットビーンとは異なり半球状ではなく、丸い球状をしていて、1つのコーヒーチェリーに1つしか内包されていません。また、ピーベリーはフラットビーンに比べて大きさが小さい傾向にあります。

何故ピーベリーが出来るのかというと・・・、実は確実なことは分かっていないようです。一般的にはコーヒーノキの枝先など、栄養が届きにくく発育の悪い部分のコーヒーチェリーからピーベリーが収穫される事が多いため、栄養が行き届いていない結果、通常2つ1組のコーヒー豆の片方だけが育ってしまいピーベリーとなる、といったように考えられています。

ピーベリーの特徴

ピーベリーは希少

ピーベリーは収穫量のうち3%〜5%程度しか含まれていません。また、フラットビーンと比較して形が歪であるため、出荷前の選別の工程で、商品価値のない欠点豆として弾かれてしまうこともあるようです。

収穫量が少ないことから希少性が高いとされ、ピーベリーのみ集めたコーヒー豆は通常のフラットビーンのコーヒー豆よりも高値で取引されるようです。そのため、地域や農園によっては収穫のときにピーベリーのみをまとめて出荷する場合もあるそうです。

火が通りやすい

通常のコーヒー豆、フラットビーンは半円球状をしているため、単純に熱を加えたときに均一に火を通すためには工夫が必要です。一方、ピーベリーはフラットビーンと違い球状をしているため、コーヒー豆を焙煎するときに均一に火が通りやすく、焼きムラが比較的できにくいとされています。

味は変わらない

希少性の高いピーベリーですが、コーヒー豆としての性質が変化しているわけではないので味自体は特別美味しいということはありません。ただし、前述したように丸い形で火の通りが良く、焼きムラなく上手に焙煎しやすいため、ピーベリーゆえに上手く焙煎をすることが出来て、結果的にフラットビーンよりも美味しくなる、といった場合はあるようです。

ピーベリーまとめ

形は違っても同じコーヒー豆

ピーベリーについてご紹介しました。コーヒー豆を挽いて飲む人ならよく見かける事ものですしあまり気にならないとは思いますが、初めて見る人にとっては何か歪なコーヒー豆が混じっているように見えるかもしれません。ですが、ピーベリーは形は違っても基本的にはフラットビーンと同じコーヒー豆なので、変わらず美味しく飲むことが出来ます。

ピーベリーだけを集めて販売している場合もありますが、通常はフラットビーンに混じっていることのほうが多いです。まだ見たことがない人は、コーヒー豆を挽く前に一度探してみて下さい。エチオピアのモカなどはピーベリーの割合が多いので、すぐに見つかるでしょう。